たまに「バックアップってなんですか？」という質問をいただきます。

バックアップとは、消えてしまっては困るデーターのコピーをとっておく事です。

コピーするのはCD、DVD、USBメモリ、外付けハードディスクなどがありますが、何でも結構です。

例えば、「パソコンの中にもデーターはあるけど、USBメモリにも同じデータがある」というのがバックアップされた状態と言えます。

しかし、上の例の場合、パソコンを初期化してデーターが全部消えてしまったけど、USBメモリがあるから大丈夫と思っていたら、しばらく使わないうちにUSBメモリが壊れていた！ということも想定されますので、どうしても消えては困るデーターは2重3重にバックアップをとっておく必要があります。

---

「バックアップって、面倒だし必要なの？」と思われる方も多いかと思います。

しかし、大手企業などは多額の費用をかけてバックアップを行っています。

企業のコンピューターの中には膨大な資料や機密情報などが入っていますが、大地震でビルが倒壊したり火災で燃えてしまったら、何個バックアップをとっていても無意味です。

万が一そうなった場合に備えて、大企業などは自社のビルから離れた遠隔地（地震の少ない沖縄など）へ毎日、インターネット回線を使用して、バックアップをとっているそうです。

また、個人の方でもデジカメで取った何千枚もの写真や、数百〜数千曲の音楽をパソコンの中に保存している方も少なくありません。

そのパソコンが突然壊れて起動しなくなったとき、全てのデーターを取り出すのはかなり難しいです。

例えばハードディスクというパソコンのデーターを記録している部品が壊れてしまった場合、データー修復の専門会社に依頼すると数万円〜数十万円かかるかと予想されます。

そうなる前に、消えて困るデーターをご自分でコピーをとっておいていただければ（バックアップ）、たとえパソコンが壊れてしまっても新しいパソコンへデーターを移すことができます。

ちなみに、パソコンの中のデーターが消えてしまっても別に困らない、という方ならバックアップは不要です。

---

「データーのバックアップが重要ということは分かったけど、いつすればいいの？」と思われる方も多いかと思います。

今です。

パソコンが次の瞬間に壊れてしまう可能性は、ゼロではありません。

バックアップをとっていないパソコンのデーターは、諦めるか莫大な金額を支払って専門業者へ救出を依頼するかの、2つに1つです。

---

よく「データーをバックアップして！」と言われますが、かなりの無理難題です。

パソコンの中には膨大なデーターがありますので、そのうちのどのデーターがお客様にとって必要なのかは、使用されている方にしか分かりません。

例えるなら、他人の家で大量の服を渡されて「タンスにしまっておいて！ついでに古い洋服は捨てといて！」と言われるようなものです。

どこに下着を、パジャマを、ズボンを、上着をしまって良いのか、タンス全てを開けて把握するのは、かなりの時間をかければなんとかできても、いらない洋服は本人にしか分かりませんよね。

バックアップは、パソコンを使う本人にしかできません。

---

また「どのデーターが必要ですか？」とお聞きすると、「全部！」と言われることもあります。

パソコンの中のデーターを全部コピーするには大容量のハードディスクと、半日程の時間が必要です。

しかも、プログラムはコピーをしても動きませんのでコピーをしても無意味です。

そして、ウィルスが入ってしまった場合などは、全てをコピーしてしまうとウィルスもコピーしてしまうことになります。

ご自身のパソコンの中のデーターは、何が消えてはならないのか、ご自身で把握しておかれることをお勧めします。